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2006年度 講義要目;山本ひろ子先生編

May 15, 2006
yamamoto.jpg2006年度イメージ文化学科の講義データを、教員別にご紹介。

オキナワという表象
【授業テーマ】 戦後61年目の今、私たちにとって沖縄、また沖縄問題とは何か。写真・映像・小説を素材に、「オキナワ」という表象の諸相を見つめながら、「オキナワ」と切り結ぶ私たちの現在を問い直してゆく。
【後期授業計画】 百人を越す人々の沖縄戦の記憶・証言を集めたドキュメンタリー「島クトゥバで語る戦世」(「琉球弧を記録する会」制作、全9時間)を見て、「語りの記録」にふれること、そこから考えてゆくこと。また目取間俊や崎山多恵などの小説も取り上げる。毎回レポートを提出してもらう。


フィールドワーク論B
【授業テーマ】 まず論があってのフィールドワークではなく、フィールドに身を投じて、その方途、プロセス、思考の内実を「記録」としてつくるのが目的の授業。選んだフィールドのひとつは「東京」。飄々と歩くには百年早い諸君のための、思考と嗅覚、眼光と筆力を鍛えるフィールドワーク。
【後期授業計画】 種村季弘『江戸東京《奇想》徘徊記』(朝日新聞社)と中沢新一『アースダイバー』(講談社)を読み、観察力・知識・問題意識を学びながら、レポートを書く。ディベートを経て、各自であるいはグループで、「東京」をフィールドワークし、自分ならではの写文集・画文集・文集にまとめてゆく。「東京」以外のフィールドでも可。おすすめの「辺境」もいくつか用意している。


GATE C 映画を見ながら
【授業テーマ】 <思考すること><書くこと>の手掛かりを、映画の中に発見すること。映画の技法や映画史を学ぶのが目的ではありません。自分なりのテーマと関心をみつけ、考え、それを文章に表現していくのが狙いです。
【授業計画】 大作にあらず、名画にあらず。しかし面白くて問題性に富む作品を何篇か鑑賞し、レポートを書いてもらいます。仕掛け人は教員の私ですが、テーマ探しとディベートの案内人は、映画狂いの四年生1名。さて何が見えてくるでしょうか。新入生のために用意された、実験的な90分の劇場へどうぞ。


フィールドワーク・日本を歩く 土佐・物部村フィールドワーク 
【授業テーマ】 ここでいうフィールドワークとは、具体的な世界とぶつかることで自分の問題を発見し、目と身体で考える過程を指している。問題発見の過程を体得する現場は今や、イメージ文化の西における活動基地となった高知県物部村である。春には「土佐のショク(植・食)に学ぶ」を、秋には「いざなぎ流御幣切り・舞神楽の実習」を予定している。
【授業計画】 快適さと不便さがないまぜの小屋=「和光大学ものべ荘」を拠点に、少人数で行う。もちろん自主運営。案内人・講師は地元の方々、サポートするのはフィールドワークに熟達した先輩学生である。


日本の文化・宗教・思想
【授業テーマ】 祭や儀礼、テクスト・映像などを対象に、重層的でダイナミックな日本文化と思想の創造性を探る。ゼミナールなので、具体的なテーマは各自が任意に提出し、発表していく。共同研究もOK。(一)映像と批評、(二)呪術と神楽の世界、(三)天皇制と日本思想の考察などが主な領域。
【授業計画】 ゼミ生によって自主的に運営する。フィールドワークやイベントの構築など、教室と授業の枠を超えた活動が「伝統」となりつつある。研究生と外部の者も、このゼミには欠かせないクルー。畏れを知らぬ1、2年生の参入は望むところ。ただし、単位にはなりませぬぞ。


祭りの時空・Ⅰ 人が神になる
【授業テーマ】 神と人との交渉をメルクマールに、日本の祭りとその精神風土をかんがえる授業。神話と儀礼、造形と表象、音とことば、秘儀と共同体など、さまざまなテーマと誘惑が待ち受ける世界。どう踏み込んでいくのかは、諸君次第。
【授業計画】 ビデオ映像で、島根県美保関の「青柴垣神事」と沖縄・宮古島の神女たちの年中行事をみたあと、資料を読んでゆく。前者は、国譲り神話を再演した祭りで、男性が神話の神に変身するのに対し、後者は、年齢階梯制による神女たちの加入儀礼である。本土と南島、ともにイニシエーション儀礼でありながら、コントラストもあざやかな「人が神になる」構造をかんがえる。


祭りの時空・Ⅱ トランスと祝祭
【授業テーマ】 かつて祭りに神懸りと託宣は不可欠だったが、多くの祭りはそれを失ってしまった。しかし中国地方の神楽は、今なお神懸りを伝えており、しかもそれが祭儀の目的として構成されている。ドラッグを用いずに、どのようにしてトランスを導き出すのか。「託舞」と呼ばれる過激な形式と仕組みに光を当てる。
【後期授業計画】 島根県の大元神楽と広島県の比婆荒神神楽の映像を見ながら、祭りの概要と構造を掴んだあと、神懸り神事に焦点を絞り、その仕掛けと心性を分析してゆく。また二つの神楽を表象する、巨大な藁蛇のシンボリズムについても考える。

教科書
祭りの時空・Ⅰ 人が神になる;別冊太陽『祭礼』(平凡社)、比嘉康雄『日本人の魂の原郷 沖縄久高島』(集英社文庫)
祭りの時空・Ⅱ トランスと祝祭;別冊太陽『祭礼』(平凡社)、

May 15, 2006 | コメント0

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