「祭りの時空-Ⅰ」、は半期の授業なので、今週で終わりです。そこで講義余話をひとつ、ふたつ。
開講してみたら教室に入り切れないほどの受講者数にびっくり。「沖縄の祭り」に関心があるのか、それとも漠然と「沖縄」か……?
主に扱ったのは、宮古島と久高島に伝わる神女たちの祭りだ。映像のほかに、写真家比嘉康雄さんと比嘉豐光さんが撮った写真を見せた。時代・個性・手法を異にする2人のカメラが切りとった秘儀やムラの光景が、何人かの学生の心をわしづかみにしたかも。
最近、写真家内藤正敏さんの現像ではじめて世に出た岡本太郎のイザイホーの写真もなかなか凄い。そういえば岡本太郎は、復帰前の沖縄をしばしば訪ね、1966年のイザイホーも見聞し、見事な紀行文を残していたのだっけ(『沖縄文化論』)。
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6月23日の授業風景。
唐突に私は切り出した。「今日は6月23日。何の日だか知っていますか?」。教室からの反応はない。(もっとも大教室だから、学生の様子はよく分からないのだが。)大多数は知らないと踏んだので、6月23日は「沖縄慰霊の日」であること、しかも沖縄戦60年目という節目の年の……と沖縄戦の話を少しばかりした。そして昭和56年に放映のNHK<新日本紀行>「コザと呼ばれた街—沖縄県・沖縄市」を見せる。
コザ事件はさておき、若き日の比嘉康雄さんがインタビューに応じている場面は学生諸君の関心を惹いたのでは? 彼は元警察官だったが、米軍機墜落事件をきっかけに警察官を辞め、以来、沖縄をずっと撮り続けてきた人。
さて映像を見終ったあとの学生諸君の反応だが、これも不明。そうこうして授業が終わると、一人の女子学生が私を呼び止めた。「私は沖縄問題を勉強してきた者です。沖縄の友人と同居しているので、毎年6月23日をどのように迎え、過ごすかを悩んできました。それなので、今日の授業は嬉しかった」。
来年度の「祭りの時空・Ⅰ」は、ポストコロニアルな沖縄を視座に入れた授業にしようかと構想中。だが彼女は4年生。履修してもらえないのがちと残念。
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1972年5月の沖縄「復帰」に合わせて出版された本は数知れない。その中で群を抜いて刺激的だったのが、異色のルポライター竹中労の『琉球共和国』。泡盛のような強烈な味と魅力は今でも失せてはいない。
さて泡盛といえば、日本最古の蒸留酒。残念ながらその味は、授業では教えられません。そこで『琉球共和国』から一節を紹介しましょう。
「泡盛の酔いは強烈にして、かつ爽快なるかな。とりわけ、アルコール分四十五プロの古酒(クース)を含めば、口中に芳香みなぎり、ボンノクボから痺れるような酔いがコメカミに突きぬけるなり」。
実はイメージ文化学科では、数人の教員が、“酒の文化史”といった講義を計画中です。本当かしらん?
COMMENTS
沖縄といえば、「青い海・白い砂浜・そしてさんご礁」みたいなイメージしかなかったので、授業で見た写真集(とくにブタの供儀!)や映像はかなり強烈でした。
なんというか、まるでちがう世界を覗き込んでしまったような印象です。
今年の夏は沖縄に行く予定です。祭りの場である「沖縄」を肌で感じてきたいと思います!
夏の沖縄とはうらやましい……いやいや、観光ばかりが目当てではないのでしたね。向こうではウタキなどもまわるのでしょうか? こちらに戻ってきたら、ぜひ沖縄レポートをお願いします。
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